このブログは、早期退職者のお気楽生活日記ですから、
教育問題は書かない方が良いかなと思っていたのですが、最近のいじめの報道を見ていると、「それはちょっと違うんじゃない」と思えるようなことが多く、現実に教育現場にいて30数年間教壇に立ってきた一人として、学校の現状を少しまとめてみるのも良いのかなと思うようになってきました。
というのも、テレビや新聞のコメンテーターまたは解説者の記事を読んでいると、もちろん教育委員会や個々の学校の教育体制に不備があることは充分分かるのですが、今ひとつ
現場の実情がわかっていないままにコメントをしている方が多いように思われるからです。
その辺りの歯がゆさみたいなものを少しまとめてみたいなと考えました。ちなみに私が担任していたクラスでも、いじめが起きかかったことが何回かあります。いずれも
早期発見、関係する教員への
早期連絡と協力(情報交換)のもとに関係者への早期指導が効を奏して大事には至っていません。
まずいじめの根本ですが、いじめの定義にもよりますが、どんな学校でも「
からかい」程度の事は日常的に起きていると思って間違いありません。進学校や指導困難校に限りません。(両方の学校で経験があります)
ただし進学校は分かりにくいです。また極端ないじめにまで発展することは少ないように思います。それはこれらの生徒が、「これ以上やったら
生徒指導上問題になる」と自分で判断し自制できるからだと思います。
またからかいやいじめを受けた側も
保護者がしっかりしていて、その子供の悩みを真摯に受け止めたりすることが出来るので、受けた側の心理的負担も少ないように思います。
その結果、こういった学校で起きる「いじめ」の代表例は、暴力的なものではなく「
無視する」ということです。これは女子の間で特に起こりやすいように思えますが、学校の中でのグループを作るときに意図的にさりげなくその子を仲間に入れない、という方法です。
「なんとなく
孤立しちゃったな」という雰囲気を教員側が察知できれば、もともと力のある子達ですから、教員が間にあってさりげなく説得または指導することによって、多くは解決します。どうにもならないときは、担任から見て信用のおけそうなグループの子達に、「彼女にちょっと気を使って欲しいんだけど」、と伝えると、それだけで生徒同士で解決することもあります。
要するに担任は生徒の動向を知っていて、さりげなく見ているよ、という姿勢が生徒に伝われば、進学校では
自浄作用が働き、生徒同士で解決する場合が多いと言うことです。 (ただし担任が普段からいい加減に生徒と接していると、生徒は担任の言うことを信頼しない場合もあります)
ところが
指導困難校と言われる学校では、もともと生徒同士のコミュニケーションの力があまりないので、ほんの些細なことがからかいやいじめのきっかけになります。
特にこの子達は、
思春期に入ると、自分に自信が持てないため(授業でいつも落ちこぼれていたためかもしれませんが)、外見の違いをひじょうに気にします。
「太っている」「やせている」という単純な外見もそうですが、それよりももっと個性的な部分に注目することが多いです。例えば「しゃべり方が変だ」「食べ方がおかしい」「鉛筆の持ち方が変だ」等々、例を挙げればキリがありません。
そういった
見かけ上の違いを強調することによって、自分たちの潜在的な精神的安定や優越感を保とうとしているのかもしれませんが、対象になった子の心理負担は想像を絶するものがあると思います。
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うちは現在は息子(高校生)・娘(中学生)ですが、さすがにもう大学生に進学したら「イジメ」は、何とかなくなるでしょうが、高校生に進学しても、もうイジメは安心・・と、いうわけにはいきません。。
実はうちも息子も小学校5年~中1まで、「いじめ」が原因ではなかったのですが、家にひきこもり、不登校にまりました。
親として、真剣にこのままで大丈夫だろうか?と、フリースクールを検討したりしましたが、学校の先生に相談して結局は、市の教育委員会が運営している「あすなろ学校」に、週2~3日通学していました。
そこでは、不登校の子供に無理やり勉強させず、基本的には自分のしたいように好きなこと(読書や卓球、オセロゲームやなど・・)をやらせて、自分から学校に行けるようになるまで、約2年~3年かかりました。
またまだ自分の家庭の事で、前置きが長くなりました。
「イジメの問題」は、簡単にこうすれば良い・・というような絶対的な解決方法は、ないのでしょうが、教育評論家で大学教授の尾木先生(最近、この問題が起こってからさらにとテレビ出すぎかな?))、も言っていましたが、「親がいち早く、子供の変化に気づいてあげることが一番。」と。。
私もあまり偉そうなことは言えませんが、心にとめておきたいと、思います。