今日の新聞はいろいろ興味深いニュースが多く、いつもは30分ぐらいで読み終えるのですが、1時間以上かかりました。
先ず
東京電力の汚染水流出問題。公表姿勢というか公表日程も問題ですが、そもそもすでに東京電力は
福島原発の処理が出来ないのではないかという不信感が先に立ちます。
日本の最先端の技術者集団を抱えているのだと思いますが、公表は常に後手、何かが起きると調査中、(先日も湯気が上がっているという指摘がありましたが)、除染もままならず、腹の中ではもう打つ手がない、と思っているようにも見えます。
ただそれを言ってしまうと
再稼働を目指している原発行政に与える影響が余りにも大きいと判断して、妙に配慮した日程で公表するもんですから、ますます叩かれるという悪循環です。
とはいうものの、批判するのは簡単ですが、実際
にじわじわとにじみ出る汚染水をどのように処理するかというのは、確かに難しいはずです。遺憾だと言って批判するのは簡単ですが、解決策は東電任せという政府や規制庁の姿勢にも問題がありそうです。
次に
社会保障会議。年金新制度は棚上げという記事が出ていました。少子高齢化に対応して今後どうするのかという討論も棚上げ、先送りだそうです。現状で何とか持ちこたえている、というのが理由みたいですが、素人が見ても持ちこたえているとは思えないのに、何故そう判断できるのか、不思議です。(もし持ちこたえているのなら消費増税は必要ないはずです)
こういった社会保障関係では年金以外に
高齢者医療制度、高額療養費制度、介護保険関連等々様々な問題が提案されていますが、どれもまともに取り組もうという姿勢が見られません。
一方大敗の
民主党は細野幹事長が来月辞任をするそうで、責任を明確にしました。その陰で執行部は選挙を妨害?したということで、菅さん、鳩山さんの二人を処分する方針みたいです。けじめをつけたいということのようですが、細野さんがやめて、二人を処分すれば党勢が回復するのか?
何故大敗したのかという責任を一部の人の押しつけているだけですから、根本的な解決にはなっていないような気がします。負けた理由の分析をもっと突き詰めないと、今後もますます有権者が離れていくと思います。
経済面では
福島原発の廃炉費用が100億円増となり、標準家庭で月1.9円の負担増という記事がありました。廃炉にするのに、またしても利用者が負担増を引き受けるという仕組みです。
その横には「福島の除染 最大5兆円」という見出しがあり、これもいずれ税金や電気料金値上げとなって影響が出てくるはずです。それでどうして原発は
発電コストが小さいと言えるのか?
他方、「景気は回復の兆し」だそうですが、雇用者に占める
非正規雇用比率は35%に達し、さらに上昇中。非正規雇用が増え、老人が増え、人口は全体で減少となれば、先行きは明らかです。
そうゆう社会情勢の中で、どのような戦略で生活を維持していくのか?このブログは早期退職者の生活設計をお気楽に考えるという主旨で始めたものですが、情勢は緊迫しているなと思わざるを得ず、シリアスな記事が増えているなあと最近感じています。
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現地の実状には眼を塞ぎ、到底、実行が不可能な「作戦」を立て、第一線兵士の損害には関知せずにその精神力に期待して、食糧を始めとした補給を無視する大本営(東京)に居たエリートの参謀達。 科学的に敵味方の戦力と情勢を考えること無く、自己に不都合な情報は無視して無謀な作戦を第一線兵士に強いる結果は、敵弾で死んだ兵士より飢餓に依り死んだ兵士の方が多かった事実。 等々。物量(生産力の差等)の差、国力の相違に依り、何れは敗戦の憂き目を観ることは必至でしたが、悪戯に死なずとも良い人達を死地に追い遣った経過には慄然としたことでした。
戦後も、この日本的悪弊は、後を絶たず、日本の国と国民に禍を齎し続けている、と思います。 原発事故に関わっても誰も責任を取らず、誰も責任ある事後措置をせず、現場(第一線)に任せたまま。 「大本営発表」で表面的には事情が好転したかのように装うのみです。
社会保障や年金の財政や制度改正についても、これ等の財政破綻まで全てを見送り「玉砕」するのを待つのみの無策。 敗戦が事実になれば、第一線兵士や国民を見捨てて高級将校や参謀等は一番に逃げた日本軍のように、政策の誤謬の責任は全てを国民に押し付けて、自分達の後援者(大企業と大金持ち)と一緒に逃げる算段です。 その前に一儲けをしようと日銀を抱き込んで、異次元金融緩和をして株価等資産価格の高騰を策したのだとしたら、正しく、泥棒に追い銭です。